- 赤ちゃんにどの日焼け止めを買えばよいかわからない
ノンケミカルって?6か月未満でも使っていい?SPFはどれくらいを選ぶ? - 買ってはみたものの、
じっとしてくれないから日焼け止めを塗るのも洗い落とすのも大変
刺激が強かったのか肌が荒れた
せっかく塗ったので日焼けしてしまった - 毎年どの日焼け止めを買えばいいのかわからない
赤ちゃんや小さい子どもの日焼け止めってどんな商品を選べばよいでしょうか?
比較サイトを見ても10個以上並んでいることが多く、多すぎて選べませんよね。それぞれの製品で色々な口コミも書いてありますが、一番大事なことは口コミでどういわれているかではなく、本当に赤ちゃんに安全に使えて、ちゃんと紫外線から守れることですよね。
安全に使えてちゃんと紫外線から守ってくれることももちろん大事ですが、赤ちゃんや小さい子だと、家に帰った後にはしっかり落とさないといけないですよね。特に赤ちゃんだと石鹸で顔を洗うのは相当大変です。商品によっては石鹸だけではヌルつきがとり切れずクレンジングオイルを使わないといけないことがあります。
うちの6歳児と3歳児はいまだに顔を石鹸で洗わせてくれません
日焼け止めは2-3時間おきに塗り直す必要があります。ウォータープルーフという名前を聞くと長時間効果があるように聞こえてしまいますがそうでもありません。米国皮膚科学会は”there is no such thing as “waterproof” sunscreen.”;「ウォータープルーフ」の日焼け止めなんかない、と言い切っています。消費者がイメージするような「ウォータープルーフ」なんてものは存在しないから、しっかり2-3時間おきに塗り直しましょう。特に水遊びして体を拭いたら確実にとれてしまっているので塗り直しましょう、ということです。
どんな日焼け止めを使っても結局は2-3時間おきに塗り直さないといけないのであれば、顔も体も関係なくお湯で落とせるタイプにしてしまえば塗り分ける必要がないから親が楽できます!!
この記事では、赤ちゃんでも安全に使えてちゃんと紫外線から守ってくれて、しかもお湯で落とせる日焼け止めを紹介します!
- 紫外線は光老化の原因と皮膚がんのリスクなのでしっかり防御しよう
- 防御の基本は帽子や服で身を守ること
- 日焼け止めはSPFは30以上のものが望ましい
- 「ノンケミカル」のほうが赤ちゃんの肌の負担は小さい
- ちゃんとした量を、繰り返し塗ることが大事
信頼できる医学情報サイト(日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、米国皮膚科学会、英国国民保健サービス)から得られた日焼け止めの効果・安全に関する情報をもとに、商品の色々比較サイトから各商品のサイトで調べた結果、赤ちゃんでも安心して使えて、日焼けもちゃんと防げて(SPF30以上)、お湯で落とせる日焼け止めはほとんどありません。おそらくこの2つだけです。
比較サイト、まとめサイトだと「お湯で落とせる」と書いてあっても公式サイトや実際の商品説明サイトだと「石けんで落とせる」になっている商品が複数確認できたのでご注意ください。
日焼け止めがなぜ重要か、なぜこの商品をお勧めするかについて解説していきます。タイトルは赤ちゃんとしていますが、小さい子から大人まで紫外線対策でやることは一緒ですので小さい子や大人の紫外線対策としてもお読みいただけます。
- 紫外線ダメージの現実:肌への影響
- 赤ちゃんの紫外線対策: 知っておいた方が良い紫外線対策の基本
- 日焼け止めの選び方:成分の違い、形状の違い、SPF/PAの違い
- 赤ちゃん向けの日焼け止め:安全な成分と選び方のポイント
- 効果的な使い方をマスターしよう
- まとめ
紫外線ダメージの現実:肌への影響
紫外線は肌に悪影響を与えます。日焼けのよる赤みや痛み、将来のシミ・シワ(光老化)の原因になり、皮膚がんのリスクを高めます。一度水ぶくれができるくらいの日焼けをするだけで皮膚がんになるリスクが倍になるという報告があるようです。赤ちゃんの時から紫外線対策をすることは、将来の肌トラブルを防ぐために重要です。日焼けによる炎症やシミ・シワを予防し、きれいな肌を維持するために、適切な日焼け止めを使って紫外線対策を行いましょう。
お年寄りの顔にはシミやしわが多く、またイボ状の変化(良性腫瘍)も見られます。これは歳をとっただけで起こったものではありません。お年寄りでも日光があたらない太ももの内側などは色が白く、柔らかで、細かいしわはあるものの、深いしわはありません。通常の老化は年齢と共に身体の生理的機能が損なわれていくことですが、光老化は肌が慢性的に紫外線によるダメージを受けた結果おこるものです。
例えてみれば赤ちゃんの皮膚は、白くて弾力に富み滑らかな「絹のハンカチ」、お年寄りの日光に当たらない皮膚は、白いがカサカサして薄い「ティシュペーパー」、お年寄りの顔は茶色くてゴワゴワし、曲げるとしわができる「ボール紙」ということになります。(日本皮膚科学会「光老化は普通の老化と違うのですか?https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/q05.html)
赤ちゃんの紫外線対策: 知っておいた方が良い紫外線対策の基本
赤ちゃんや子どもの肌は大人よりも薄く、デリケートです。紫外線によるダメージが大きいため、紫外線を防ぐことが大人以上に重要です。紫外線を防ぐための基本は、物理的に遮断する(日に当たらないようにいろいろ工夫する)ことと、適切な日焼け止めを使うことです。
- なるべく日陰に入る
- 日差しの強い10時-14時は外出を避ける
- つばのある帽子をかぶる
- ベビーカーの日よけグッズを使う(キャノピー、カバー)
- UVカットウェアを着る
- それでも日に当たって部分は日焼け止めをしっかり使う
日焼け止めの選び方:成分の違い、形状の違い、SPF/PAの違い
では日焼け止めはどのように選べばよいのでしょうか。紫外線を防ぐための成分と、日焼け止めの形状、SPF/PAの表記について説明します。
成分による違い:「ノンケミカル」のほうが肌に優しい
日焼け止めは成分によって大きく二つに分けられます。紫外線を防ぐ成分が紫外線散乱剤のものと紫外線吸着剤のものです。
酸化亜鉛か酸化チタンと書いてあれば紫外線散乱剤です。日焼け止めの白い色はこの成分の色です。紫外線を物理的に反射します。こちらが「ノンケミカル」とよばれる日焼け止めです。英語だとpyhsical sunscreenかmineral sunscreenです。
ノンケミカルという名前はいかにも日本の化粧品会社が肌によさそうなイメージで売りだすための名前って感じがします。
肌への刺激が少ないので赤ちゃんの日焼け止めは、紫外線散乱剤「ノンケミカル」のものを選びましょう。「紫外線吸着剤不使用」「紫外線吸着剤フリー」と書かれている場合もあります。
酸化亜鉛は絵の具の白色の主成分です。
だからちょっと絵の具っぽいにおいがするんですね。
そうです。ちなみにおむつかぶれなどで病院で処方される亜鉛華軟膏やサトウザルベ®の主成分も酸化亜鉛です。酸化亜鉛には肌の炎症を抑える作用があります。
メトキシケイヒ酸オクチル、ジメチルPABAオクチル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等が紫外線吸着剤です。紫外線吸着剤の英語での表現がchemical sunscreenなので、紫外線反射剤はノンケミカルと呼ばれるのだと思います。紫外線を吸収して熱や赤外線に変えることで肌に紫外線が到達することを防ぎます。紫外線を防ぐ効果は吸着剤のほうが高いのですが、刺激感などが出ることがあるので赤ちゃんにはお勧めしません。逆に、大人の方で肌トラブルは少なくて紫外線をしっかりガードしたのであれば紫外線吸着剤はありです。
紫外線吸収剤が含まれる日焼け止めは赤ちゃんには使わないようにしましょう。
(参考)
※サンスクリーン法における紫外線吸収剤の使用制限
ハワイではサンゴ礁の保護のため、一部の紫外線吸収剤の販売・流通が規制されています。対象となる成分は「オクチノキサート」と「オキシベンゾン」です。オクチノキサートは成分名メトキシケイヒ酸オクチル(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)です。本記事執筆時点では旅行客が持ち込んだものについては使用制限がありません。使ったからといって罰則などがあるわけではありませんが、せっかくの旅行先の環境汚染につながることはわざわざしない方が良いのかなと思います。
※パラオも同様に規制がありますが、さらに厳しく、規制成分も多く指定されています。規制成分が含まれる日焼け止めは没収されるようですのでご注意ください。
(在パラオ日本大使館https://www.palau.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000265.html)
形状(テクスチャー)による塗り心地の違いで選ぶ
日焼け止めの形状(テクスチャー)にはいろいろなタイプがあり、それぞれ特徴が違います。おとなしく塗らせてくれない赤ちゃんや小さいお子さんの場合、落としやすさも考えるとミルクタイプやローションタイプが良いでしょう。
SPF/PAで選ぶ
SPF(Sun Protection Factor): SPFは紫外線B波(UVB)からの保護効果を数値化したものです。UVBは日焼けや皮膚が赤くなることを引き起こす原因になる紫外線です。数字が大きいほど保護効果が高くなります。50以上の場合は「SPF50+」と表示されます。例えば、SPF30の日焼け止めは、無防備な状態に比べて30倍の時間、紫外線にあたっても日焼けしないという目安になります。
PA(Protection Grade of UVA): PAは紫外線A波(UVA)からの保護効果を示しています。UVAはシミやしわの原因となる紫外線です。PAは「+」の数で表され、「+」が多いほど効果が高くなります。PA+からPA++++までの4段階の評価があります。
どの程度のSPF、PAの日焼け止めを使うのが望ましいかについては、以下のような目安があります。こちらの数字的な目安については各学会、各ウェブサイトによって書いてあることが多少違います。絶対的な数字基準はないと理解していただければよいと思います。
SPFの数値、PAの+で見た場合、効果が高い方が皮膚への刺激が強い傾向があります。
買い物などの短時間の外出:SPF15~30、PA+~PA++
アウトドアやスポーツ、海や山などの長時間の外出:SPF30~50+、PA++~PA++++
赤ちゃん向けの日焼け止め:安全な成分と選び方のポイント
- ノンケミカルでしかも無香料・無着色・アルコール/パラベンフリーを選ぶ
- じっとしてくれないのでミルクタイプが塗りやすい
- 6か月未満の赤ちゃんは日焼け止めの使用は最低限に
- せっかく使うならSPF30以上
安全な成分
赤ちゃんにはノンケミカルの日焼け止めを選びましょう。無香料・無着色・アルコールフリー、パラベンフリー・アレルギーテスト済みであればさらによいですね。また、SPFとPAの数値もチェックして、適切な保護力があるものを選んでください。
選び方のポイント
塗るときも落とすときもじっとしてくれない赤ちゃんや小さい子はミルクタイプ、ローションタイプが使いやすいです。特に顔は洗うのが大変です。手足ならまだいいですが、顔はお湯で落とせるタイプが絶対に楽です。クリームタイプはクレンジングでないと落とせない場合があります。赤ちゃんの顔にクレンジング→石鹸→水ですすぐ、は無理ですよね。洗い落とし方は各商品の説明文に従ってください。
小さい赤ちゃんに日焼け止めを使うのはちょっと心配です。
昔は6か月未満の赤ちゃんには日焼け止めは使わない方が良いとされていました。現在も一部のWebサイトでその情報が残っていますが。各学会の推奨などが「最低限の使用」というように表現が変わってきています。皮膚の刺激になるから日焼け止めは使わない方が良い、といより、日焼け止めは使わないといけないくらいの紫外線があるときにムダに外に出ない方が良いが、どうしても出るなら、基本はベビーカーのキャノピーやカバー、洋服でガードして、それでも防げない分を日焼け止めを使いましょう。という感じです。
日焼け止めの強さはしっかりガードするならSPF30以上のものを使いましょう。日本の各学会のサイトで、SPF10程度から記載されている場合もありますが、海外ではSPF30を超えるものが勧められています。これはおそらくフォトスキンタイプによる皮膚がんなどのリスクの違いによるものです。黄色人種の多くはⅡ~Ⅳで白色人種はⅠ~Ⅱです。白色人種の方が光老化を起こしやすく皮膚がんにもなりやすいのでしっかり紫外線防御が必要ということです。あなたやあなたの家族の日焼けの仕方はどうでしょうか?黄色人種でもタイプⅠ~Ⅱの人もいますので、黄色人種でも光老化や皮膚がんを防ぐためにはSPF30を超える日焼け止めでしっかり紫外線から身を守ることが大切だと思います。
PAは、屋外での活動がそれなりにあるなら+++以上のものが良いでしょう。
色々調べた結果、テクスチャーのタイプがミルクかローション、SPFが30以上、お湯で落とせるという条件をすべて満たしている日焼け止めはこれだけでした。
効果的な使い方をマスターしよう
日焼け止めは肌に十分な量を塗り、全体に均一に広げることが大切です。顔や首、耳の裏など、紫外線が当たりやすい部分を念入りに塗りましょう。せっかく塗るのにけちってしまうと十分な効果が期待できません。
しっかりガードするのであれば、外出30分前と外出直前に2回塗りましょう。
出かけた後は日焼け止めは2-3時間おきに塗り直すようにしましょう。汗をたくさんかいたり、手でこすったらとれてしまいます。水遊びをしたときも注意が必要です。ウォータープルーフだとしても水遊びをしてタオルで体をふいた後には塗り直す必要があります。2-3時間たってなくてもタオルでこすったらとれてしまいますからね。
まとめ
- 紫外線は光老化の原因と皮膚がんのリスクなのでしっかり防御しよう
- 防御の基本は帽子や服で身を守ること
- 日焼け止めはSPFは30以上のものが望ましい
- 「ノンケミカル」のほうが赤ちゃんの肌の負担は小さい
- ちゃんとした量を、繰り返し塗ることが大事
紫外線ダメージが肌にどのような影響を与えるか、防ぐためにどのようにしたらよいかについて説明させていただきました。
赤ちゃんも大人も帽子や服でしっかりガードしてそのうえで日焼け止めを適切な量で、繰り返して塗ることで紫外線からしっかり身を守りましょう。赤ちゃんでもSPF30以上のもので、ノンケミカルの日焼け止めを選びましょう。
SPF30以上+ノンケミカル+お湯で落とせる日焼け止めはおそらくこれ以外にありません。SPF30よりは少し低めですが、次点としてお勧めできそうなノンケミカル+お湯で落とせる商品もいくつか一緒にリンクを貼っておきますので参考にしてください。
(参考にしたサイト)
・日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 日焼け
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/index.html
・日本小児皮膚科学会「こどもの紫外線対策について」
・American Academy of Dermatology Association.(米国皮膚科学会) INFANT SUN PROTECTION: HOW PARENTS CAN KEEP THEIR BABY SAFE.
・NHS(英国国民保健サービス)Sunscreen and sun safety
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